アメリカ「混迷の今」を読み解く必須の10ワード 移民、中絶、気候変動…中間選挙の争点総ざらい

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左派と右派の間で分断が深まるアメリカの今を、10のキーワードで読み解く。

混迷のアメリカは、今のキーワードを理解することでより見えてくる。写真は2021年に中絶権の支持者がワシントンDCで行った集会の様子(写真:the Center for Reproductive Rights/AP/アフロ)

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複数の争点が浮上し、右派と左派の間での激しい対立が繰り広げられるアメリカ。中間選挙前の同国を読み解くうえで外せない10のワードを、アメリカ社会に詳しい米州住友商事ワシントン事務所の渡辺亮司氏に解説してもらった。
※キーワードの番号①〜⑩は、前後編のアメリカ現地ルポの記事中の番号と連動している。あわせて読んでほしい。
・米国現地ルポ(上)はこちら(①〜⑥)
・米国現地ルポ(下)はこちら(⑦〜⑩)

①コロナ禍以降のバイデン大統領の大型経済対策

1980年~1990年代、共和党のレーガン大統領や民主党のクリントン大統領は党派を問わず「小さな政府」を掲げていた。それが今日は、対中政策や新型コロナウイルス対策などで「大きな政府」の時代に突入している。

バイデン政権下では、アメリカ救済計画法(ARP)、超党派インフラ法、半導体・科学法、インフレ削減法などの大型法案が成立。対GDP比2割近い総額3.8兆ドル規模の財政出動となり、ルーズベルト大統領のニューディール政策(8300億ドル、対GDP比13%)をも上回る。

ARPは、コロナ対策の直接給付金を含んでおり、国民には好評だった。だが、中長期的に見ればインフレを引き起こす原因となり、批判も起きている。

②インフレ削減法(IRA)

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