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米国ルポ(上)政治ゲームと化す「人種差別問題」 弱者支援巡り拡大する「保守vs.リベラル」の溝

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もはや修復不可能なレベルにまで達しているアメリカの「分断」。現地で有権者たちの声を聞いた。

ワシントンDCのホワイトハウス前では、市民が人種問題や富の集中などについて政治活動を行っていた(写真:記者撮影)

特集「ルポ アメリカ 深まる分断」の他の記事を読む

11月8日に中間選挙の投開票を迎えるアメリカ。連邦議会の議員や州知事などが選出されるこの選挙は、2024年に行われる大統領選の行方を左右する。
毎回中間選挙は、そのときの大統領が属する政党に不利な傾向がある。そのため今回は民主党が下院で多数派を割り上院と下院でねじれ現象が起きるとも言われている。そうなれば、2023年以降のアメリカの内政は停滞が予想される。
有権者たちは今、アメリカの政治にどのような期待と不安を抱いているのか。9月上旬から約2週間、記者は現地を歩いてその声を聞いた。上下編に分けてお届けする。
※下編はこちら:米国ルポ(下)社会の分断はもはや「内戦前夜」だ
※①~⑥のキーワード解説はこちら

「黒人やヒスパニックは怠惰に暮らしている」

ニューヨーク・マンハッタンの摩天楼を向こう岸に望むホーボーケン。アメリカの国民的歌手フランク・シナトラの故郷として知られるこの街の遊歩道で、家族や恋人たちは週末の夕方に思い思いのゆったりとした時間を過ごしていた。

有色人種の人たちが政府の支援に頼りがちなことを批判するアンドリューだが、21年に結婚した妻は日本人。「日本人は勤勉だからね。企業のアウトソーシングで俺たちの仕事を奪うこともないし、問題ないよ」と笑う。このとき着てい服は、ラグビー日本代表の桜のエンブレムが入ったTシャツだった(写真:記者撮影)

そんな牧歌的な風景とは対照的にアンドリュー(58)は記者とホテルのエントランスで出会った途端、早口で日頃の政治に対する不満をぶちまけ始めた。

「コロナ禍にバイデン政権が振る舞った多額の給付金がもたらした結果を見てほしい。一部の黒人やヒスパニックの人たちは給付金に頼って怠惰に暮らしているだけじゃないか!税金をジャブジャブ使い、大きな政府に進むバイデンは、党の急進左派たちに従う馬鹿野郎だ」

「俺はずっと共和党支持の穏健派で、(1980年代に大統領を務めた)ロナルド・レーガンが生涯で最高の大統領だったと思っている。レーガンは民主党が追求してきた増税路線の政府ではなく、小さな政府を追求し、市民が(経済的に)自立することを促した。1980年代はアメリカ人にとってすばらしい時代だったんだ」

アンドリューはニューヨークで生まれ、ニュージャージー州北部郊外の街で育った。今は金融ITコンサルタントとして事業を営み、古き良きアメリカの保守をなつかしむ一人だ。だからこそ、①ジョー・バイデン大統領が行ってきた大型経済対策には強い反対意見を持っているという。

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