東急、北海道豪華列車「3年目」の手応えと課題 運行区間の拡大には地元の協力が不可欠だ

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雲一つない青空の下、北浜海岸を通過するザ・ロイヤルエクスプレスと歓迎をする網走市民(写真:MOTレール倶楽部)

東急とJR北海道は、2022年も8月5日から9月23日の出発回まで計8回、北海道内で東急の豪華クルーズ列車「ザ・ロイヤルエクスプレス」を使用した「北海道クルーズトレイン」の運行を行った。

3年目となる2022年は、「北海道クルーズ・リミテッド」という新プランも用意された。設定されたコースは、列車と専用のバスを組み合わせ鉄道沿線から距離のある観光地を巡り食事や現地での観光体験を楽しむコースと、小樽での前泊付プランの2種類だ。

旅行代金は、3泊4日のプランで1人72万円~106万円、前泊付の4泊5日のプランでは1人89万円~122万5千円となった。

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高いリピート率

2022年度の募集は2月14日の12時より開始され、受付を開始すると同時に申し込みが殺到。倍率は約3倍で、そのうちの3割がリピーターの応募だった。

東急で北海道でのクルーズ列車運行のプロジェクトリーダーを務める、社会インフラ事業部クルーズトレイン推進グループ統括部長の松田高広氏は「クルーズ列車に乗ることで北海道の魅力を感じたいというお客様がたくさんいらっしゃること、そして北海道には地域の観光を支える素晴らしい人たちがいるというのはこの3年間で強く実感しました」と振り返る。

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運行経路は、札幌―帯広―池田―釧路―川湯温泉―知床斜里―網走―北見―遠軽―旭川―札幌間とこれまでと変わらない。しかし、2022年はツアー参加者に対してより北海道の魅力を深く体験してもらうべく、新プラン「北海道クルーズ・リミテッド」が設定された。

これまでのプランは基本的には列車の走行するルートに沿って観光を行うというものであったが、このリミテッドプランは、1日目の午後に帯広駅で下車をしたのち、専用のバスに乗り換えて3日目の昼前まで各地を観光。上士幌町の牧場や弟子屈町の屈斜路湖など鉄道から離れたルートを巡り、北見駅から再び列車に乗り換えて札幌を目指すという内容だ。

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