ついに「日本が独り勝ちする時代」がやってきた なぜ円安が進んでいるのにそこまで言えるのか

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競馬である。

毎年11月に開かれていた古馬牝馬G1「エリザベス女王杯」の副題の名称がなくなるそうだ。エリザベス女王がお隠れになったからだ。

かつてのエリザベス女王杯は、3歳限定戦だった(当時は4歳と呼んでいたが)。元々は1970年に始まったビクトリアカップという名前だったが、1975年にエリザベス女王が来日されたことを記念して、1976年からエリザベス女王杯と名前を変えた。そして1996年から古馬牝馬G1となったのである。一方、桜花賞、オークスに次ぐ3歳牝馬の3冠目のレースとしては、秋華賞が新設された。

かつては、牝馬は繁殖優先でオークスが終わればいつでも引退だったから、古馬牝馬の重賞など必要なかった。

したがって、そもそもビクトリアカップもエリザベス女王杯も、そしてもちろん秋華賞も、菊花賞と違い、クラシック競争とは呼ばれない。伝統がないからである。そして、本来は必要ないのである。

それに輪をかけたのが、秋華賞のコース設定である。オークスで2400メートルを走った後、2000メートルを走るのは3冠目として意味がないし、京都競馬場の内回りコース(今年は京都がまだ改修中のため阪神競馬場で開催だが)、枠順、展開に大きく左右される能力検定レースとしては最低のコースで行われ、価値がほとんどなくなった。

ローズステークスは「一騎打ち」を期待

その秋華賞へのトライアルレースがローズステークスである。今年もローズステークスは中京競馬場で行われるが、例年は阪神の外回り1800メートルという実力が問われるコースで、夏を越しての成長力を検定するには、本来ならこちらのほうが優れたレースである。

今年は、まさにこの成長力に期待したいサリエラ。朝日フューチュリティステークスの勝ち馬であるサリオス(牡5歳)の妹で、まだ2戦しかしていない。これと、オークスで2番人気だったアートハウス。一騎打ちを期待する。

(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)

小幡 績 慶應義塾大学大学院教授

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おばた せき / Seki Obata

株主総会やメディアでも積極的に発言する行動派経済学者。専門は行動ファイナンスとコーポレートガバナンス。1992年東京大学経済学部首席卒業、大蔵省(現・財務省)入省、1999年退職。2001~2003年一橋大学経済研究所専任講師。2003年慶應大学大学院経営管理研究学科(慶應義塾大学ビジネススクール)准教授、2023年教授。2001年ハーバード大学経済学博士(Ph.D.)。著書に『アフターバブル』(東洋経済新報社)、『GPIF 世界最大の機関投資家』(同)、『すべての経済はバブルに通じる』(光文社新書)、『ネット株の心理学』(MYCOM新書)、『株式投資 最強のサバイバル理論』(共著、洋泉社)などがある。

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