新iPhone 14で見えた「テクノロジーと安全」戦略 アップルの新製品丸わかり「イベント現地速報」
ディスプレーは最大2000ニトと明るさを増しており、またバッテリーの大型化で36時間の連続使用を実現した。この数字は通常モデルのApple Watchの2倍だ。マイクやスピーカーも強化され、また水深計、水温や就寝時の体温計測を実現する温度センサーも備えた。
過酷な環境への対応として、GPSはより高精度になるよう2周波に対応したり、水深100mに対応しまたダイビングアクセサリーの規格であるEN13319にも準拠、アプリと組み合わせてダイビングコンピューターとしての役割も果たす。
と、ここまでの説明を聞くとかなりごつさが強調されるが、装着してみると、そこまで大きくて扱いにくいというわけではない。チタンの色味もシックで、アウトドアやスポーツの装いでなくても楽しめるだろう。
デザインと防水性能、オーディオ性能、ダイブコンピューター機能などを除いては、Apple Watch UltraとSeries 8は基本機能を共有しており、最新の光学式心拍センサーや皮膚温センサーなどが利用できる。
アップルの強みに「安全」を付加する戦略
アップルは直近の決算でも、ドル高の影響で海外の売り上げがドル換算で目減りする影響が出ている。特に顕著なのが日本市場で、20%の為替変動により、2022年第3四半期(4〜6月)は前年同期比15%減となってしまった。円安の影響がなければ、日本市場は5%の成長となっていたはずだったと見られる。そのため、7月にiPhoneなどの価格を調整したばかりだ。
今回のイベント開催の直前、1ドル140円から145円付近まで再び急激な変動があったばかりだったが、今回の価格設定では、値下げされたiPhone 13が140円20銭とイベント前に近いレートが設定されている一方、最新モデルのiPhone 14シリーズ、iPhone 14 Proシリーズは136円30銭に設定されており、アップルも価格設定ではかなり配慮をしている模様だ。
それでも、iPhone 14が10万円を超える価格設定となっており、手が出にくい環境はしばらく続くと考えられる。
一方、Apple Watchの交通事故検出機能や、iPhone 14 Proのダイナミックアイランドは、ハードウェアとソフトウェアの連携による機能や体験の実現によって作り出されていると考えると、アップルの強みを生かした体験デザインや安全性能の強化が行われていると見ることができる。
第2世代として登場したAirPods Proとともに、iPhoneを入り口として密に連携を取るモバイル・ウェアラブルデバイス群のエコシステムを強化していく戦略にブレはなさそうだ。
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