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日本の「職業訓練」欧米に後れを取っている現状 情報不足のうえ市場ニーズにマッチしていない

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有力機関による調査・研究リポートからビジネスに役立つ逸品をえりすぐり、そのエッセンスを紹介。

「職業訓練」が欧米に見劣りする日本
情報不足のうえ市場ニーズに合致していない

・みずほリサーチ&テクノロジーズ「日本の職業訓練政策の現状と課題」(2022年8月10日)

・みずほリサーチ&テクノロジーズ 調査部 経済調査チーム 服部直樹・風間春香・中信達彦

職業訓練で学ぶ中高年の受講者
職業訓練を重視する欧米に比べ、日本の各種制度は後れを取っている。離職者向け訓練の受講者も減少傾向だ(写真はイメージ)(写真:PIXTA)

6月に閣議決定された岸田政権の骨太方針。重点分野として「人への投資」が最初に掲げられ、「2024年度までの3年間に4000億円」と予算規模も示された。また、過去の骨太方針では人的資本投資先として学校教育や幼児教育の優先度が高かったが、今回は労働者対象のスキルアップが冒頭に記されている。本リポートは、労働者への公的投資を担う職業訓練政策に着目し、制度の課題や改革の方向性を考察する。

予算額1333億円(20年度)と日本の職業訓練で最大規模の施策が「公共職業訓練」である。雇用保険を受給している離職者向け訓練が中心だ。20年度の同訓練の受講者数は、国・都道府県の施設内訓練が3.1万人、民間教育機関等での委託訓練が7.2万人と、それぞれ09.10年度をピークに減少傾向にある。受講者の就職率を見ると、施設内訓練の場合、建設系や製造系をはじめ、ほぼすべての分野で8割を超えるが、委託訓練では介護系を除く全分野で8割を下回っている。

雇用保険の受給資格がない人を対象とした「求職者支援訓練」も受講者が年々減少し、20年度は2.4万人と予算上の計画の約半分にとどまる。就職率も良好ではなく、IT系など受講者の多い分野では6割未満だ。

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