FRBは信頼できる?債券市場の大物2人評価割れる 物価抑制の効果を巡って両者の意見が対立
米連邦公開市場委員会(FOMC)による27日の利上げ決定後に、債券市場の大物2人が当局のインフレ抑制策が十分かどうかを巡って意見を異にした。
3250億ドル(約44兆円)余りを運用するグッゲンハイム・パートナーズのスコット・マイナード最高投資責任者(CIO)は、年内に利上げペースを落とす可能性を示した当局の指針は物価高の抑制につながらないだろうと指摘。年末のインフレ率が5-6%という依然高い水準になり、中銀目標を大きく上回るとの見通しを示した。
一方、ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラックCIOは、今週の全会一致での0.75ポイント追加利上げ決定は、米金融当局がもはや「後手に回っていない」ことを意味すると評価した。
マイナード氏は27日のブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「今日の行動は連邦準備制度のインフレ対策の信頼性を巡る疑問を提起しなかっただろうか」と問い掛け、FOMC後に株・債券相場が上昇したが「来週までには当局が本当に信頼できるのかと当社は自問していることだろう」と語った。
一方ガンドラック氏は当局寄りの姿勢で、パウエルFRB議長が市場の信頼を取り戻したと指摘。軽度のリセッション(景気後退)は「全ての金融市場にとって考えられる最良の結果」だとCNBCとのインタビューで述べた。ダブルラインは1070億ドルの資産を運用する。
パウエル議長は27日、利上げペースに関する明確なガイダンスの提示は取りやめ、代わりに今後のインフレ統計に基づいて調整していく考えを示した。
ガンドラック氏は今回の記者会見について、パウエル議長の在任期間で最高だったと考えており、フォワードガイダンスの欠如は良いことだと述べ、過去にガイダンスが米金融当局の信頼性を損なったこともあると語った。
マイナード氏も、当局が明確なガイダンスを示さなかったことについては同様に評価。「過去半年間の市場の不安定さはフォワードガイダンスに責任があると思う」と述べた。
同氏とガンドラック氏は投資の世界で歴史的なライバルだが、フォワードガイダンス提示をやめることが市場のボラティリティー低下につながる可能性があるという1点で一致した。
原題:Bond Giants Minerd and Gundlach Clash on Fed Policy Credibility
Gundlach Tells CNBC Fed Chair Powell Has Regained Credibility(抜粋)
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著者:Patrick McHale、Sonali Basak、Katie Greifeld
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