ヒカキンら躍進!変わるCMキャスティングの裏側 「YouTuberを起用する側」の思惑と契約金事情

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今田美桜(25)は8位。やっぱりCMは多く、「P&G『パンテーン エクストラダメージケア シャンプー』」「第一三共ヘルスケア『トラフルBBチャージa』」「第一生命」など11社に起用されている。

今田美桜(写真:週刊女性PRIME)

変わってきたCMキャスティング

かつて企業が芸能人をCMに起用する際の物差しはビデオリサーチなどが実施する好感度調査が中心だった。SNSの普及が十分とは言えなかった2010年ごろまではそれが続いた。今も好感度調査は使われているものの、SNSのフォロワー数を優先して考える企業が増えているとされている。

例外は芦田愛菜(18)。ニホンモニター社の調べによると、今年1月から6月までに「ECC」「Uber Japan」「リクルート『タウンワーク』」など15社のCMに起用され、上半期のCM女王になったが、インスタのランキングは圏外。SNSはいっさいやってないからだ。現在、高校3年生。SNSデビューは卒業後と考えているのではないか。

通学途中の芦田愛菜(写真:週刊女性PRIME)

インスタのフォロワー数は国内女性芸能人2位ながら、不思議と現在はCMがないのがタレントの森咲智美(29)。アイドルグループ「OS☆U」の元メンバーで人気者だが、セクシーなところを売り物にしており、「日本一エロすぎるグラドル」の異名を持つから企業側に敬遠されたのではないか。ただし、支持は厚いので、今後はわからない。

2020年に開設したYouTubeチャンネル「エガちゃんねる」が登録者数300万人を突破した江頭2:50(57)にもCMの話が次々と舞い込んでいる。

チャンネル登録者が100万人を超え、金の再生ボタンが贈呈されたときの江頭2:50(写真:週刊女性PRIME)

今年は「代々木アニメーション学院」「クーポンアプリ『みせとく!』」(広島県限定)「赤城乳業『ガツン、とみかん』」(ウェブ限定)のCMに出演。YouTuberになるまでの10年間はCMがほとんどなかったのだから、大躍進である。

「SNSはやらない」と決めている芸能人もいる。けれどCM出演が視野にあるのなら、SNSはやったほうがいいようだ。

高堀冬彦
放送コラムニスト、ジャーナリスト。1964年、茨城県生まれ。スポーツニッポン新聞社文化部記者(放送担当)、「サンデー毎日」(毎日新聞出版社)編集次長などを経て2019年に独立。
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