NFLスーパーボウル「広告の祭典」の全貌 <動画>「父性」と「ハッシュタグ」がトレンド
2月1日、ニューイングランド・パトリオッツとシアトル・シーホークスは、アリゾナ州グレンデール、フェニックス大学のスタジアムで、49回目のスーパーボウルの決勝戦を戦う。
アメリカンフットボール決勝戦のテレビ放映は通常、1億人以上の視聴者を集め、アメリカの年間最高テレビ視聴率を誇る。その放映時の30秒の広告に、企業は過去最高の4500万ドルをつぎ込んだ。スーパーボウルは、コムキャスト傘下のNBCが放送する。
インターネットに、すでに多くの広告が流れているが、マーケティング担当者の多くは、一体感、お祭り気分、困難に対する勝利など、明るいメッセージを、印象的なトーンで訴えていると、専門家は指摘する。
父性と家族を讃えるのがトレンド
今年のスーパーボウル広告は、父性と家族を讃えるのがトレンドだ。Dove、トヨタ、日産は、「真の強さ」「大胆な選択」「お父さんと一緒」といったハッシュタグを含むコマーシャルを流している。オフラインでも話題となるよう、広告主は、ソーシャルメディアを活用している。
「すべての広告にハッシュタグが付いています。広告主は皆、人々が早々に広告を話題にし、ツイッターで取り上げたりするよう、自分たちの広告にある種のハッシュタグを付けているのです。30秒のコマーシャルに4500万ドルも費やすなら、できる限り元をとりたいというわけです」テレビリポーターのジーニー・ポッジはAd Age誌でこう語っている。
アンハイザー・ブッシュ・インベブ社のバドワイザーは、子犬とトレードマークの馬の心温まる広告で、昨年の広告戦を勝ち抜いたが、今年もその路線だ。木曜(1月29日)には、同社の新しい「迷子の犬(Lost Dog)」の広告が、ビデオの視聴数やソーシャルメディアのコメント数を追跡するiSpotのランキングで1位になった。YouTubeでは、すでに1000万回以上、視聴されている。
これは、アンハイザー・ブッシュ社にとって、連続27回目のスーパーボウル広告である。多くの企業にとって、スーパーボウルの高額な広告料は、投資する価値のあるものなのだ。
「昨年は1億1200万人がスーパーボウルを視聴しました。これほどの視聴者を集められるテレビ番組やYouTubeビデオは、どこにもありません」と、ポッジは語る。「コマーシャルを見るためだけに、チャンネルをつける人もいるのです。自社のブランドに、こんなに多くの人の注目を引き付けられる場所は、他にありません」