2020年10月の陥没事故に続き、外環道でまた事故が発生した。事故の真因が突き詰められない構造は変わっていない。
基本作業を徹底すれば事故は防げた
――いったい何が問題で、今回のような事故が起きたのでしょうか。
何段階かに分かれて地中壁の図面の確認のプロセスがなされているはずなのに、どれ1つ機能していなかったことが大きな問題だ。こういった大きな公共事業を進めていくうえでの、組織的な問題点が浮き彫りになった。基本的な作業を徹底していれば防げた。
――具体的には?
工事を管轄する国交省関東地方整備局やNEXCO東日本は4月28日、「東京外かく環状道路 本線トンネル工事における掘進の停止 原因と補修の状況等について」と題する文書を公表している。地中壁の図面を作成する過程で、受注者によるCAD(コンピューター上での作図)操作上のミスが原因で、設計上の正しいトンネル中心位置に対して、図面の中心が下方に約90センチ、水平方向に約10センチずれていたこと」を事故の原因として挙げている。
さらに、「作成した図面について、受注者による確認が不足しており、トンネル中心位置の間違いに気づくことができなかったことが今回の位置の間違いの原因であることが明らかになりました」としている。
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