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あふれ出る著者の菌類愛 「生物=生態系」を痛感 思い入れたっぷりにその生態を語り、筆致も印象的。

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菌類が世界を救う キノコ・カビ・酵母たちの驚異の能力(マーリン・シェルドレイク 著/鍛原多惠子 訳/河出書房新社/3190円/284ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。
[著者プロフィル]Merlin Sheldrake 英国の生物学者。米スミソニアン熱帯研究所のリサーチフェローとして、パナマの熱帯雨林で菌類の地中ネットワークを研究。英ケンブリッジ大学で熱帯生態学の博士号を取得している。ピアノとアコーディオンの奏者でもある。

どんな生物よりも身近に存在し、良くも悪くも大きな影響を受けていながら、ふだんまず気にすることのない、菌類という存在。そんな菌類に魅せられた著者が、思い入れたっぷりにその生態を語るのが、本書だ。

何しろ初っぱなから「地球上で起こる大半のできごとはこれまでも菌類の活動の結果だったし、これからもそのことに変わりはない」と断言するのだから、思わず笑ってしまう。しかし、読み進めるにつれ、これが決して大げさでないことがわかってくるのだ。

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