戦時下、敵国とのギリギリの折衝にあっては、互いの背景にある文化、慣習、風土など、多くの要素が絡み合うものだ。
昔から英国流ユーモアの特徴は皮肉、自虐だといわれる。どこまで本気か冗談か判別不能の怖さと、笑いを生むべく注がれる人間への眼差し。それは、戦争という場のリアルに向けられ、理不尽な死に直面したとき、さらに複雑な陰影を生む。
本書には、そんなアイロニカルなセンスを持ち味とする英国の、第2次世界大戦中の海軍の秘話、大西洋を舞台とする激しい攻防戦のサイドストーリーが描かれている。
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