暗号資産交換所の世界大手FTXが、日本の同業・リキッドグループを買収する。かつて不正流出も経験したリキッドは、新体制でどのように成長を目指すのか。
「救済型」の買収ではない
――FTXに買収されることになった経緯を教えてください。2021年8月の暗号資産不正流出を機に、FTXから1.2億ドルの融資を受けたことから今回の話に至ったのでしょうか。
不正流出が起きる前からFTXとは接点があった。FTXのサムさん(創業者でCEOのサム・バンクマン・フリード氏)とは、2019年に台湾で開かれたイベントの壇上で初めて顔をあわせた。
彼がFTXを創業した直後のことだったが、斬新でイノベーティブなプロダクトとサービスに加えて、リスクコントロールを切り口に交換所サービスを作っており、さすがだなと思った。
FTXでは、レバレッジ取引でロスカット(強制決済)が生じにくいように証拠金の算定(クロスマージン導入)を工夫したり、マーケットの急変動でシステムがダウンしないよう設計したりしている。
そのプロダクトを日本に持ってきたいと考え、不正流出が起こる前の2021年春くらいから業務提携の話をしていた。
――今回の買収は「救済型」ではないと。
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