一時は下火になったビットコインの価格が息を吹き返している。11月には史上最高値を更新。いったい何が起きているのか。
「日本円を持っていてもしかたがない。各国がマネーを大量に刷って法定通貨の価値は薄まっている。法定通貨で長年貯金しておくことなど愚かなこと」
ビットコインを大量保有する30代男性はそう言い切る。懸念するのは円やドルなどの通貨価値が下がるインフレだ。日本では2020年の資金決済法の改正で、法令上の呼称が「仮想通貨」から「暗号資産」に変わった。その筆頭格であるビットコインの価格は11月11日、777万円をつけ史上最高値を更新した(価格は国内大手交換所のビットフライヤー)。
前出の男性は、国家のような発行主体のない仕組みに魅せられて2014年からビットコインを購入した。保有価値については明言を避けるが、2ケタ億円に迫るとみられる。当面は円などには換えず、「ビットコインで“貯金”しておく」という。
上場企業が「長期保有」を表明
こうした動きは個人だけではない。東証1部上場企業で、パソコンやスマートフォン向けオンラインゲームを手がけるネクソンもそうだ。今年4月に1億ドル(約110億円)相当のビットコインを取得した。
その後のビットコインの価格変動により、2021年6月末に約45億円の評価損計上を迫られたが、9月末には17億円の損失戻し入れとなった。市況に翻弄されているともいえるが、同社は意に介さない。11月9日に開いた2021年1~9月決算説明会で、植村士朗CFOは次のように述べた。
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