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世界の森林減少は止められるか
── COP26 森林宣言に140カ国以上が署名
「森林・土地利用に関するグラスゴー・リーダーズ宣言」(グラスゴー宣言)は、2030年までの世界の森林減少抑止に、世界各国がコミットすることを宣言するものだ。本リポートは21年11月にCOP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)で発表されたこの宣言の意義について解説する。
まず、140カ国以上という「参加国の多さ」は今回の宣言の特徴だ。14年の「森林に関するニューヨーク宣言」の参加国は40カ国。それには加わらなかった、熱帯林の最大保有国ブラジルや世界最大の森林保有国ロシアも、今回の宣言には参加しており、世界の森林の90%以上がカバーされる。
大規模な公的資金の確保も約束された。日本を含む12カ国が25年までの間に120億ドルを拠出する。途上国での森林保全の取り組みを先進国が支援する意志の表明だといえる。
1970年代以降、森林減少は国際的な問題となり、議論や抑止の仕組み作りが重ねられてきたが、現在も年約470万ヘクタールの森林が減少し続けている。この宣言が森林減少に歯止めをかけるターニングポイントとなるよう、各国の真摯な取り組みが求められると筆者は述べる。
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