沖縄銀行が「経営統合」を必要視しない根本理由 山城正保頭取「金融以外の事業にも乗り出したい」
沖縄県内の二大銀行のひとつ。2021年は地域商社を立ち上げ、持株会社おきなわフィナンシャルグループへと移行するなど、新たな動きを見せている。
――2022年は沖縄が日本に復帰して50年になります。
復帰した1972年は、まだ多くの沖縄県民が米軍基地の従業員として働いていた。アメリカ軍人相手の飲食業やサービス業など基地から派生する産業に携わる人も多かった。それゆえに沖縄経済は「基地依存経済」と呼ばれていた。
――基地依存率はピーク時56.8%(1957年)まで高まりましたが、日本復帰から3年後の1975年には10.1%、2000年以降は5%前後で推移しています。もう基地依存からは脱しているのでは?
依然として数千人の人が基地内で働いているが、依存率が低下してきたのは他の産業が着実に成長してきたからだ。中でも観光業の成長が著しい。
コロナウィルスの感染が広がる前、2019年の県内入域観光客数は初めて1000万人の大台に乗り、7年連続最多を更新していた。沖縄県における米軍基地関連収入が年間2000億円強にとどまるのに対し、コロナ前の観光収入は7000億円に迫っていた。
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