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沖縄銀行が「経営統合」を必要視しない根本理由 山城正保頭取「金融以外の事業にも乗り出したい」

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沖縄県内の二大銀行のひとつ。2021年は地域商社を立ち上げ、持株会社おきなわフィナンシャルグループへと移行するなど、新たな動きを見せている。

やましろ まさやす/琉球大学法文学部卒。1982年沖縄銀行入行。執行役員審査部長、執行役員営業統括部長、取締役委嘱総合企画本部長、常務取締役を経て2018年頭取。2021年10月から、おきなわフィナンシャルグループ社長を兼務(写真:おきなわFG提供)

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足元は県内経済の主柱ともいえる観光業がコロナ禍でダメージを受けており、金融機関が問われる役割も大きい。地元企業を支えるためにどんな役割を果たしていくのか。琉球銀行との提携や経営統合に対する考え方などを山城正保頭取に聞いた。

 

――2022年は沖縄が日本に復帰して50年になります。

復帰した1972年は、まだ多くの沖縄県民が米軍基地の従業員として働いていた。アメリカ軍人相手の飲食業やサービス業など基地から派生する産業に携わる人も多かった。それゆえに沖縄経済は「基地依存経済」と呼ばれていた。

――基地依存率はピーク時56.8%(1957年)まで高まりましたが、日本復帰から3年後の1975年には10.1%、2000年以降は5%前後で推移しています。もう基地依存からは脱しているのでは?

依然として数千人の人が基地内で働いているが、依存率が低下してきたのは他の産業が着実に成長してきたからだ。中でも観光業の成長が著しい。

コロナウィルスの感染が広がる前、2019年の県内入域観光客数は初めて1000万人の大台に乗り、7年連続最多を更新していた。沖縄県における米軍基地関連収入が年間2000億円強にとどまるのに対し、コロナ前の観光収入は7000億円に迫っていた。

――その観光業は今、大きなダメージを受けています。銀行業績への影響も大きいのではないでしょうか。

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