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公文書問題と「歴史への責任」 ジャーナリズムやアカデミズムも一層奮闘を

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霞が関で横行する記録の改ざんや破棄、虚偽の正史化。いかに対抗すべきか。

霞が関の官庁街に向かってほえる虎ノ門の虎の彫像(筆者撮影)

東京の真ん中、港区虎ノ門に虎がいるのをご存じだろうか。正確にいえば虎の彫像だが。

東京メトロ銀座線、虎ノ門駅の真上、外堀通りと桜田通りの交差点に、咆哮(ほうこう)する姿で鎮座している。今年は寅年。「おやっ」と立ち止まる人も。作製は地元町内会の「虎ノ門会」。現会長の河村守康さんによると、虎ノ門への町名変更3周年を記念して1952年に作られた。一度壊されてしまったが、町内会はめげずに今の2代目を設置したのだという。

この交差点から桜田通りを北に行くとすぐに官庁街にぶつかる。よく見ると虎ノ門の虎はその方角を向いてほえている。まるで「官僚の劣化」が指摘される霞が関に牙をむいているかのようだ。

確かに各役所の不祥事は絶えない。虎でなくともほえたくなる。とくに目につくのは公文書関連の事案だ。森友学園問題に絡む改ざん。自衛隊の日報隠蔽。経済統計の勝手な書き換え。噴飯ものの実態は、毎日新聞取材班の『公文書危機』(毎日新聞出版)などに詳しい。

改ざんや隠蔽は論外としても、記録を「作らない」「残さない」との風潮も定着してしまった。情報公開法により開示させられたら面倒なことになるからだそうだ。

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