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グリーンの定義変更にはご用心 エネルギー危機で高い授業料を払った欧州

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たかい・ひろゆき 神戸大学経営学部卒業、住友商事入社。英国ロンドンで、貴金属や銅・アルミなどの取引を担当。金融事業本部長、エネルギー本部長を経て、2013年住友商事グローバルリサーチ社長、18年同社ワシントン事務所長。20年7月から欧州エネルギー取引所グループ上席アドバイザーに転じる。(撮影:梅谷秀司)

2020年秋のこと、筆者は本欄でコモディティー価格が長期上昇トレンド入りしたとの予想を立て、「グリーンサイクル」と名付けた。コロナ禍が世界を震撼させた同年春を起点に脱炭素をテーマに超長期の新たなトレンドが始まったのである。

20年秋は期せずして、パリ協定から離脱した米トランプ政権が倒れた。日本の菅政権はG7の中では遅ればせながら50年ゼロエミッションを宣言。中国の習近平政権が五中全会で60年までの炭素中立経済の実現を発表している。世界の6割を占める120カ国が炭素中立に向けて動き出したのが20年秋だ。

今年はコロナ禍の拡大とともにコモディティーのグリーンサイクルは3年目に入り、長期上昇トレンドが着実に継続しているかに見える。しかし、昨年、欧州を舞台に世界のエネルギー業界を揺るがした化石燃料の価格高騰が、グリーンサイクルの裏に隠された「不都合な真実」を暴いた意味は大きい。

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