「中国系」を否定する有力電池メーカーの腹づもり エンビジョンAESCの松本CEOに聞く

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世界中で電池工場の大型投資が相次いで打ち出されている。今後の競争で何がカギを握るのか。

茨木県の工場新設を発表した2021年8月の記者会見。左から大井川和彦・茨城県知事、エンビジョンAESCグループの松本昌一CEO、日産自動車のアシュワニ・グプタCOO(記者撮影)

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日本に拠点を置いて世界中で工場投資を拡大する企業がある。エンビジョンAESCグループだ。もともと日産自動車とNECの合弁だったが、2019年に再生可能エネルギー事業などを手がける中国エンビジョングループ(遠景科技集団)傘下となった。
目下、世界で激化する電気自動車(EV)の開発競争において、車載電池メーカーの動向が極めて重要になっている。なぜなら車載電池はEVの製造コストの約3~4割を占めるとされるからだ。
EVの心臓部ともいえる電池で優位に立とうと、スウェーデンのノースボルトなどの新興勢力に加えて、中国や韓国の電池メーカーがフォルクスワーゲンやゼネラル・モーターズと組んで大型の投資に踏み切っている。
群雄割拠の中で投資を積極化するAESCはどんな成長戦略を描くのか。今後の展開を松本昌一CEOに聞いた。

 

――2021年6月にフランス、7月にイギリス、そして8月に茨城県に車載電池工場の建設を発表するなど、まさに投資ラッシュです。

茨城県内に新設する電池の新工場。2024年の稼働を予定。投資額は合計1000億円で、生産能力を最大18GWhまで増やす方針(写真:エンビジョンAESCグループ)

EV向け電池は2030年に生産量が世界で2000ギガワット時(GWh)を超えるとの予測もある。われわれとしては少なくとも200Gwh(現在は27.5GWh)を目標としたい。

この1年で市場の伸びが相当クリアになったと思う。アグレッシブな目標だが、それでも(拠点増設後の)シェアは10%だ。今回の日英仏の3拠点に加えて、中国の内モンゴルで商用車向けと定置向け電池の工場建設を決めており、2022年以降に稼働する。競争環境は厳しくても、投資は積極的に進めていく。

――日欧中で工場を建設する一方で、アメリカは米中デカップリングの影響が懸念されます。AESCは中国のエンビジョングループ傘下なので、テネシー州にある生産拠点の拡大投資などはやりにくいのでは。

確かに地政学的な問題はある。親会社が中国なので悩んでいるところもある。ただ、アメリカでも(事業拡大は)検討しているし、積極的にやりたいと思っている。

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