コロナ禍の中では、さまざまな行動制限や営業制限が実施された。中でも、学校教育が受けた影響は大きい。2020年3月2日から小・中学校、高等学校の全国一斉臨時休校が実施され、地域によっては対面授業が5月末まで行われなかった。
各学校はマイナスを補うため、オンライン授業の活用、夏季休業期間の短縮、運動会や遠足といった行事の中止・縮小などを行った。では、そうした教育現場の取り組みは、児童の学力へのマイナスの影響を防止できたのだろうか。
文部科学省は「令和3年度 全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)」の結果を基に、コロナ対策として実施された臨時休校の長さと小中学生の国語・算数の得点との間に相関関係がなかったと発表した。だがこれは、休校が学力に影響を与えなかったことを示すものではない。休校期間の長さが異なる学校の、単年のテスト結果を比較したにすぎないからだ。休校前に存在した学力の差が、休校期間の長さの差によってたまたま埋まったのかもしれない。
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