パナ「慎重すぎる」電池戦略 大型投資に踏み切れぬ「ある事情」

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中韓の電池大手とは異なり、顧客拡大や大型投資とは距離を置く。

「本邦初公開、これが『4680』の現物です」

10月下旬、パナソニックで電池事業を展開するエナジー社の只信一生社長は東洋経済などの取材に応じ、箱の中から1本の電池を取り出した。満面の笑みで披露したのが、開発中の新型電池「4680」だ。

4680とは、パナソニックの電池事業の主要顧客である米テスラが構想し、2020年に発表した新型の電池だ。現在パナソニックがテスラ向けに量産する「2170」に比べ、電池容量が5倍、出力が6倍になるうえ、パック化せずに車体に直接組み込むことができるため、工程を減らして大幅なコスト削減が可能だ。4680の開発は、パナソニックのほかにテスラに電池を供給する韓国LGエナジーソリューションなども進めているが、只信氏は「テスラの強い要望でやっている」とテスラからの期待の高さをアピールする。

車載電池で世界シェア3位、国内最大手のパナソニックだが、複数の自動車メーカーに電池を供給する中国CATLやLGなどの大手電池メーカーとは異なり、供給先はテスラが柱だ。

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