物量と価格で中国勢が勝るが、日中で出荷先のすみ分けができている。
かつて日本メーカーの独壇場といわれた電池部材市場に、この数年で異変が起きている。中国メーカーが台頭してシェア上位を占め、押される形で日本メーカーのシェアが縮小しているのだ。
車の電動化を背景にリチウムイオン電池の需要は急拡大している。それに伴い、電池に用いられる主要4部材であるセパレーター、正極材、負極材、電解液を生産する化学メーカーにもかつてない引き合いがある。ただ出荷量で比較すると、中国部材メーカーとの差が広がっている。
日本の「お家芸」ともいわれてきたセパレーターも例外ではない。セパレーターとは電池の正極と負極を分離し、微細な穴からリチウムイオンを行き来させる重要な部材だ。2010年代半ばまでは旭化成や東レといった日本メーカーの総出荷量が世界の過半を占めたが、今や中国メーカーを下回る。
テクノ・システム・リサーチの調査によると、20年のセパレーターのシェア1位は上海エナジーの22%で、2位の旭化成のシェア11%の2倍。16年に約1億平方メートルだった出荷量は20年に約11億平方メートルへと急拡大。その間、旭化成や東レも出荷量を2倍に拡大させているが、大差がある。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
登録は簡単3ステップ
東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
おすすめ情報をメルマガでお届け
無料会員登録はこちら
ログインはこちら