「過剰債務」の時限爆弾、外食はコロナ後が危ない 給付金による「延命措置」はいずれ縮小する

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緊急事態宣言とまん延防止等重点措置の解除に伴い、飲食店での営業制限は段階的に緩和される。ただ、外食産業の未来を楽観することはできない。

東京都などでの緊急事態宣言が解除されても、飲食店の苦境はすぐには終わらない(記者撮影)

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新型コロナウイルス感染症対策の「急所」とされてきた外食業界。長きにわたり、時間短縮営業や酒類提供自粛を求められてきた。一方、感染拡大防止協力金などの支援策が拡充され、ひとまず危機を脱した外食企業が増えつつあるようにも見える。
10月以降は全国での緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が解除され、飲食店での営業制限も段階的に緩和される見通しだ。ただ、これで外食産業が急回復に向かうかといえば、決して楽観はできない。
企業の生き死にを長年にわたり見続けてきた、東京商工リサーチの友田信男・常務取締役情報本部長に、直近の飲食店の倒産動向やコロナ後の外食産業の展望を聞いた。

「宣言が出ていないエリア」の危機

――2020年と2021年の飲食店の倒産動向に変化はありますか。

まず2020年についていうと、1~12月の飲食店の倒産件数は過去最多となった。これまで飲食店が想定していなかった「営業時間の短縮」などにより、売り上げが急激に落ち込んだ。加えて、持続化給付金などの給付も遅れたため、耐え切れずに倒産した会社が増えた。

一方、2021年の1~8月までの倒産件数は447件。これは2020年1~8月と比べ約23%減と、大きく抑制されている。行政による支援策が拡充されてきたことが大きい。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発令されている地域では感染拡大防止協力金などの支給もあり、飲食店にとっての危機的状況は一服したといえる。

ただ、トータルの倒産件数は抑えられている一方、今年に入ってからは「宣言が出ていないエリアでの倒産件数増加」という新たな特徴も出てきた。

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