ガバナンス改革を数合わせに終わらせず、成長に結び付けた企業がある。
「森川社長、あなたは今『戦略』という言葉を使ったが、それが何を指すのか具体的に説明していただけないか」
昨年、連結会計のパッケージソフトを開発するアバントの取締役会で、事業展開に関する議案を提出した社長の森川徹治に、社外取締役が声を荒らげて詰め寄った。
なぜ社外取締役は怒ったのか。それは森川が、「戦略」という言葉を具体的な方策や根拠を伴わず概念的に使ったからだ。言葉に詰まった森川に、社外取締役は「きちんと説明できないのなら議論できない。次回までに詰めてきてください」と議論を打ち切り、次の議題に移るよう促した。
取締役会での社外取締役といえば、議案の説明をただ聞いているだけ、時に発言しても感想を述べる程度といったケースが少なくない。取締役会自体も、時間にして30分程度という“シャンシャン取締役会”が多い。
金融のプロを登用
しかしアバントの場合はまったく違う。社長が提出した議案について侃々諤々(かんかんがくがく)の議論が繰り広げられ、否決されたり差し戻されたりするのは日常茶飯事。通常2時間程度、議論が白熱すると3~4時間になってしまうこともざらだという。
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