ワクチン「職域接種」大号砲に戸惑う企業の事情 企業間に温度差も

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業界によって対応はまだら模様。不公平感解消に難儀するケースも。

接種の担い手となる医療従事者確保、会場動線設計などのオペレーションは企業側で行う。実施のネックになるのはそれだけではない(JMPA代表撮影)

「1日100万回接種」という政府目標達成の切り札になるか。

企業や大学の主導で実施できる、新型コロナウイルスワクチンの「職域接種」が6月21日に本格始動する。米モデルナ製のワクチンを使用し、約1000人分(1人2回)を接種できる企業や大学から始める。企業側の準備状況や自治体ごとの高齢者向け接種の進捗次第で、21日より早く始めることも可能としている。

政府は厚生労働省のホームページに実施希望団体向けの申請フォームを設置、8日から受け付けを開始した。

これに先立ち、すでに多くの企業が対応意思を表明している。ソフトバンクは、携帯電話ショップやコールセンターの従業員も含め計10万人規模の職域接種を実施すると発表。通信大手は、NTTドコモ(約10万人規模)、KDDI(約1万1000人規模から順次拡大)も、規模の大小はあるが実施の方向だ。

もっとも業界によっては企業間で温度差もある。商社では、伊藤忠商事がいち早く7500人規模の職域接種実施の方針を打ち出した。が、住友商事は「(打ち手の候補となる、自社の)産業医にも通常業務があり、その調整の問題がある」(広報、6月8日時点)との回答にとどめた。

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