「性犯罪」と認めさせるには異常に高すぎるハードル
──今さらながら、セクシュアルハラスメント(セクハラ)を禁じる法の不在に驚きました。
角田由紀子(以下、角田) 男女雇用機会均等法で事業主に雇用管理上の措置義務として対応を求めているだけであって、「禁止」とあるわけではない。そもそもセクハラの定義がないんです。法的にしっかり対処したいなら、まず何が問題かの定義があって、それに対し法は何ができるかを書くのが順序のはず。でもそれがない。定義がないから禁止する規定がない。なぜ定義しないのか、政府の説明、聞いたことないわね。
日本って定義なしでズルズルやる国なんです。女性差別撤廃条約でも、国連の委員会から「女性差別の定義をまず作れ」と言われ続け、今に至るまで作っていない。
伊藤和子(以下、伊藤) 人権意識が低いというか、理解が足りないと思う。国際基準をそのまま導入すればいいのに、それをやらない。抵抗が大きいとか日本に導入してもうまくいかないとか、国際水準の人権を日本人にも保障しようという覚悟がないんでしょうね。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
登録は簡単3ステップ
東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
おすすめ情報をメルマガでお届け
無料会員登録はこちら
ログインはこちら