
おさだ・くにひろ 1960年生まれ。慶応大学商学部卒業後、日本水産入社。2010年同子会社モガミフーズ出向、取締役業務部長。12年武蔵野大学大学院人間科学研究科人間学専攻、修士課程修了。20年定年退職、21年組織人事戦略コンサルタントとしてグロナビ設立。国士舘大学経営学部非常勤講師。(撮影:尾形文繁)
題名の「しゅうかつ」は就職活動の「就活」、社会が求める人材を目指す「習活」、よりよく生きるための「充活」(充は漢音でしゅうと読む)の3つを指す。とりわけ重要なのが、社会人への第一歩を踏み出すとき、自分はどうありたいか、How to beの軸をしっかり持つことと著者は説く。今年も就活戦線の幕が開けた。“勇気づけの心理学”ともいわれるアドラーの理念とともに、就活に挑む人へのアドバイスを聞いた。
幼少期回想し素の自分を知る 確かなHow to beを固めよう
──人生の転機において、アドラー心理学が支えになる点とは?
「原因論」ではなく「目的論」に視点を置く点です。従来の心理学はどうしても、なぜ?を突き詰めていく原因論に傾きがちでした。でも視点を一つ変えるだけで、見えてくる世界は全然違ってくる。
例えば、「あなたは“なぜ”立ち止まっているのか」という問いかけ。原因論では、何のトラウマが理由でなぜそれがトラウマなのか、内へ内へと深掘りしていく。これだと問題の解説はできても解決には至らない。それに対し、目的論の問いかけは「あなたは“何のために”立ち止まっているのか」。より未来志向であり、いろんなアイデアが出てくる。人間が生きているのは未来の自分のため。人生を切り開こうというとき、こちらの視点がより助けになります。
──「就活」ではまず、「自分軸」をつくることを勧めています。
就活を一時のライフイベントではなく、人生を見据えた中長期的スパンで位置づけてほしい。ここを始点に次のライフステージの習活、充活へつながるからです。
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