裁判官は独立の気概を持ち、理性と良識で判断を
──なぜ伝統を破ってまで発信を。
福島第一原発は2号機、4号機で奇跡が起きて、東日本壊滅を回避できました。原発は有事に「止める、冷やす、閉じ込める」の1つでも欠けると重大事故になるのに、私は1つでも成功すれば安全だと誤解していた。停電や断水が事故につながる原発は、平時にしか利用できない技術だとわかった。地震国なのに大飯に限らず原発は地震に対し脆弱です。福島の事故から、原発は一地方の存続ではなく国の存続の問題と学びました。黙っているのは無責任です。
──大飯の判決は、万が一でも人格権侵害の危険があれば差し止め、という判断が画期的とされました。
人格権は命を守る権利だから、侵害の危険があれば差し止めは当然で、問題は危険の程度。抽象的危険、万が一の危険、差し迫った危険のどれか。万が一の危険でも具体的なら認められると考えられるが、「電気や水が絶たれれば大事故になる」ではまだ抽象的。絶たれる原因を特定しなくちゃいけない。
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