──タイトルに「DX」とありますが、主題はリーダーに求められる思考法です。
2+2の答えは4、といった具合に、問いと答えを示すノウハウ本にしたくなかった。なぜならばDX時代のリーダーは、問い自体を考えなければいけない。アインシュタインは「地球滅亡までにあと1時間しかないという切迫した状況で地球防衛軍の責任者だったらどうしますか」との問いに次のように答えたといわれている。「55分はその課題がどのようなものなのかについて考え、残りの5分で解決策を考える」と。
──課題を設定できないリーダーが多い?
私は経済産業省や東電などで若い人たちに対し、自分で課題を考えるように言ってきた。上司から課題を与えられて、それを解く人が出世するのが日本の組織のロジック。さはさりながら、それだけやって満足したらダメだよ、と。
与えられた課題を完璧に解く、という作業をやり続けるから、残業が終わらない。明日になったら環境は変わるので、2+2の答えを作った後、休む間もなく2+3を解かなきゃいけない。そして次の日には2+4という課題が与えられる。これをエンドレスでやり続けるから、過労死が相次いでしまう。
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