トヨタ自動車も頼った自動運転開発のスタートアップは、鴻海精密工業のEV展開でも極めて重要な役割を担っている。創業者に今後の展開を聞いた。
――ホンハイが主導して立ち上げたEVのプラットフォーム「MIH」に参画することになったきっかけは何だったのですか?
2020年1月、ホンハイの劉揚偉・董事長(会長に相当)に本社(台北近郊の新北市)に招かれたのがきっかけだ。その時点ですでに、ホンハイにEVのオープンプラットフォーム構想があり、自動運転用のソフトウェアを探しているようだった。
最初の接点はホンハイの深圳工場の案件だ。ティアフォーはヤマハ発動機と工場敷地内の自動搬送などで提携しており、2019年にホンハイからも(自動搬送について)相談を受けた。深圳工場の建屋と建屋の距離が遠いので一般的なAGV(無人搬送車)では対応できないとのことだった。
そうした経緯もあり、われわれの自動運転ソフトが劉会長の耳に入ったのだと思う。
――劉会長との面談で加藤さんには手ごたえが?
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