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会談で露呈した米中のすれ違い 中国指導部には中国は強くなったという意識がある

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米中では対話のあり方について認識の開きがある。双方が歩み寄るのは簡単ではない。

米アラスカで開かれた会談は、米中双方が激しいやり取りをする場となった(ロイター/アフロ)

3月19〜20日、米アラスカ州で米中外交トップによる会談が行われた。米国側はブリンケン国務長官とサリバン国家安全保障担当大統領補佐官が、中国側は楊潔篪(ようけつち)共産党中央政治局員と王毅外交部長(外相)が出席した。

会談は激しいやり取りから始まった。冒頭でブリンケン長官が、中国の新疆ウイグル自治区や香港、台湾に対する振る舞いや、サイバー攻撃、経済面での威圧的行動に強い懸念があるとし「世界の安定を維持しているルールに基づく秩序を脅かしている」と批判した。

この発言は中国側の想定外であったようだ。楊政治局員は強く反発した。「中国は強くなった」と国民に信じ込ませてきた中国指導部は、米国に負ける姿を見せるわけにはいかなかったのだろう。

中国指導部には中国は強くなったという意識がある。中国にとって、米国やロシアという大国と対等に扱われることは長年の悲願。経済的にも軍事的にも強大になった中国は、今回の会談でも米国側から大国として尊重されることを期待していたはずだ。「米国は外交のプロトコルを守ると思っていた」という楊政治局員の言葉はこの期待を示唆する。

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