
たなか・あきら 1954年長野県生まれ。79年に早稲田大学第一文学部卒業後、日本テレビ放送網に入社。スカパーJSATホールディングス取締役を経て、2015年から現職。(撮影:梅谷秀司)
日本初の民間衛星放送会社で約275万の会員を抱えるWOWOWに今、逆風が吹いている。米ネットフリックスを中心とする動画配信サービスの台頭で、2019年度には13期ぶりに会員数が減少した。20年度も新型コロナウイルスの影響を受け、会員数減が続きそうだ。新興勢力にどう対抗するのか、田中晃社長に聞いた。
ピーク時から減少した会員数
ネットフリックスは日本参入から5年の昨年、会員数が500万を突破した一方、WOWOWは約2年前から減少に転じ、直近約275万に。
──一部の動画配信事業者は巣ごもり需要を取り込み、会員数を大幅に伸ばしましたが、その間WOWOWでは減少しています。
加入はとても厳しい状況が続いている。コロナ禍でキラーコンテンツのスポーツや音楽ライブがないに等しい状況だったのは大きい。
さらに、やはり(競合である)動画配信サービスの躍進が目覚ましい。人々のライフスタイルが劇的に変わる中で、ネットを通じてコンテンツを楽しむニーズが高まった。そうした消費者に対し、利便性においては(動画配信に)到底かなわなくなっている。兆候は18年ごろからあった。
──21年1月、ネットだけで加入できる新プラン「WOWOWオンデマンド」を開始しました。
WOWOWはサービス開始から30年間、消費者の自宅でBS(衛星放送)の視聴環境を整えて契約してもらっていた。ネットの時代に、さすがに加入の手続きが煩雑で時間もかかる。新プランであれば当社のサイトから2クリックで加入でき、スマホ一つでコンテンツを楽しめるようになった。
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