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「麻生グループを後ろ盾に魚の品質と収益性を高める」 江原 恒 東都水産 社長

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えはら・こう 1959年生まれ。83年中央大学法学部卒業、東都水産入社。2009年経営企画室長、10年取締役経理部長・経営企画室担当などを経て17年11月から現職。(撮影:尾形文繁)
豊洲市場を基盤とする水産卸大手の東都水産。同社に対し、九州を本拠にセメント、医療、教育事業などを展開する麻生が子会社を通じ友好的TOB(株式公開買い付け)を行い、36.53%を保有する筆頭株主となった。麻生は麻生太郎副総理・財務相の弟が会長、おいが社長を務める。なぜTOBを受け入れたのか。江原恒社長に聞いた。

麻生グループの議決権保有割合

2020年11月10日から12月22日までのTOBで3分の1超の取得を目指し成立。東都水産は東証1部への上場は維持する。

──麻生グループのTOBを受け入れる決断をした経緯は。

ここ数年、ヨンキュウやマルハニチロによる当社株の大量保有が明らかになるなど、上場企業であるがゆえに株主構成が思うとおりにいかないと感じていた。独自の成長戦略を貫くためには強い後ろ盾が必要だと考え、安定的なスポンサーを探していた。

最終的に三菱UFJモルガン・スタンレー証券を通じて麻生を紹介された。麻生側もここ十年来、同証券を介して多くの企業に投資しており、当社株も約3年前から1%程度保有していた。そうした接点から2020年6月に対話を始め、同11月に当社株の3分の1を下限としたTOBで合意した。

──ヨンキュウなどは安定株主とはいえないと。

ヨンキュウは養殖魚の販売会社で、当社とは売る側と買う側の関係で利害が衝突する。マルハニチロは傘下に当社と同業の大都魚類を持つ。当社と大都が合併してもシナジーは薄く、リストラが不可避だろう。従業員の将来を考えればそれは容認できない。

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