大幅な営業赤字が続く三陽商会。経営の立て直しに向け、今年3月に招聘されたのが現社長の大江伸治氏だ。アウトドアブランド「ザ・ノース・フェイス」を展開するゴールドウインの経営再建に携わった経験を持つ大江氏は、三陽商会をどう変えるのか。
──6月の店舗営業再開後、70%オフなどの大規模なセールを行いました。在庫圧縮ができた一方、ブランドイメージが悪化したのでは。
ブランドイメージはそうとう傷ついたと思うが、在庫処理を優先せざるをえなかった。古い在庫を処分して新しいものに切り替え、新しい商品は徹底して(定価販売の)率にこだわり丁寧に売る。こういう地道な作業をするしかない。
今後は売り方を変える。広く浅くブランドイメージを打ち出すのではなく、「このブランドといえばこれだ」という基幹商品や定番商品を重点的に作る戦略に切り替えて、品番数は大幅に削減する。
販路は直営店を増やして、ブランドの世界観をより能動的に発信する。ブランドを展開するうえで、直営店の強化がコア戦術となることはゴールドウイン時代に経験済みだ。
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