「百貨店の理屈ではもう商売しない」 インタビュー/三陽商会 社長 大江伸治

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おおえ・しんじ 1947年生まれ。71年京都大学卒業、三井物産入社。97年同社本店繊維第三部長などを経て、2007年にゴールドウインの取締役専務執行役員。同社副社長などを歴任後、20年3月に三陽商会副社長、5月に社長就任。(撮影:今井康一)

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大幅な営業赤字が続く三陽商会。経営の立て直しに向け、今年3月に招聘されたのが現社長の大江伸治氏だ。アウトドアブランド「ザ・ノース・フェイス」を展開するゴールドウインの経営再建に携わった経験を持つ大江氏は、三陽商会をどう変えるのか。

──6月の店舗営業再開後、70%オフなどの大規模なセールを行いました。在庫圧縮ができた一方、ブランドイメージが悪化したのでは。

ブランドイメージはそうとう傷ついたと思うが、在庫処理を優先せざるをえなかった。古い在庫を処分して新しいものに切り替え、新しい商品は徹底して(定価販売の)率にこだわり丁寧に売る。こういう地道な作業をするしかない。

今後は売り方を変える。広く浅くブランドイメージを打ち出すのではなく、「このブランドといえばこれだ」という基幹商品や定番商品を重点的に作る戦略に切り替えて、品番数は大幅に削減する。

販路は直営店を増やして、ブランドの世界観をより能動的に発信する。ブランドを展開するうえで、直営店の強化がコア戦術となることはゴールドウイン時代に経験済みだ。

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