菅政権大研究 行方を占う5つのポイント

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歴代最長の7年8カ月に及んだ安倍政権から何が変わるのか。新政権の特徴と経済対策の課題をまとめた。

本誌:野村明弘、大崎明子
写真:9月14日、総裁選で岸田文雄政調会長、石破茂元幹事長を大差で破った菅義偉官房長官。16日に首相に指名された

新型コロナ危機の非常事態の下、菅義偉新政権が発足した。安倍晋三前首相の辞意表明からわずか3週間弱でのバトンタッチだが、新政権は早くも「縦割り行政の打破」を旗印に規制改革の独自色を打ち出しつつある。

「5つのポイント」に沿って今後を読み解いていこう。

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たたき上げ首相の哲学

第1は、菅首相は「『自助』が大好き」という点だ。自民党総裁選挙では「自助・共助・公助」を理念に掲げたが、その実、圧倒的に自助への思いが強いと多くの関係者が指摘する。高校卒業後、上京して工場で働き、大学を卒業した後は会社員、政治家秘書、横浜市会議員を経て国会議員になった。菅首相をよく知る官僚幹部は「生きざまとして、まずは自分でやれという強いものを持っている」と語る。

前政権は安倍首相や麻生太郎副総理を筆頭に、華麗なる政治家一族の出であるエリート内閣の趣が強かった。新体制では、主軸となる菅首相、二階俊博自民党幹事長とも非世襲のたたき上げだ。

自助を志向する菅政権の哲学は、政策の規範となって幅広く影響を及ぼす可能性が高い。例えば過去に菅首相が注力した政策でも、ふるさと納税やコロナ対策「Go Toキャンペーン」は内容そのものへの批判は強いが、「頑張った者に報いる」という点では一貫し、ばらまき型とは一線を画す。

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