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アップルCEOが強調する「GAFA規制の愚」 日本滞在中に語ったこと

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筆者は3日間、毎日いくつかのスケジュールに帯同しながら、場面場面でクック氏の考えやコメントを聞くことができた。その中で注目すべきトピックについて解説していきたい。

12月8日、アップル表参道で13歳の開発者からアプリの紹介を受けるティム・クックCEO(12月8日にアップル表参道にて、筆者撮影)

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多数の報道にあるとおり、アップルのティム・クックCEOは2019年12月8日から10日までの日程で日本を訪れた。期間中、開発者、アプリ企業、クリエイター、病院、そしてサプライヤーを精力的に回り、マスメディアへの対応では日本テレビと日本経済新聞の取材に応じている。
筆者は3日間、毎日いくつかのスケジュールに帯同しながら、場面場面でクック氏の考えやコメントを聞くことができた。その中で注目すべきトピックについて解説していきたい。

 

まず最初のトピックは、日本でも議論が白熱している「GAFA規制」だ。ティム・クックCEOは「私は規制撤廃論者。しかし、個人のプライバシーを前にして企業の振る舞いは制限されるべき」という考えで、一部の規制については賛成意見を示してきた。

GAFAとはグーグル、アマゾン、フェイスブック、そしてアップルという、米国で成長を続けるテクノロジー企業の頭文字を束ねたもの。ウォール街ではこれにNetflixを加えた「FAANG」や、マイクロソフトなどを加えて主要テクノロジー株としてまとめて評価することが多いが、なかでも消費者とより濃密に関わり合っているのはGAFAの4社といえる。

GAFA企業はいずれも世界中にほとんどの国家の人口を上回る数のユーザーを抱え、莫大な富を吸い寄せている存在と見られている。なかでも、フェイスブックの情報流用問題を皮切りに、その集まりすぎた力を制限すべきという議論が生まれてきた。

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