「1にユーザー、2にディーラー、3にメーカー」
豊田章男は、2019年3月期決算説明会の席上、「リアルの世界」で培ってきたトヨタ自動車の競争力の優位性として3つを挙げた。
1つ目は、「TPS(トヨタ生産方式)に基づくモノづくりの力」。2つ目は、世界中に張り巡らされた「ネットワークの力」。3つ目は、全世界1億台以上に上るトヨタ車とレクサス車の「保有の力」──だ。
このうち、「TPSに基づくモノづくりの力」については、これまで幾度となく触れてきた。「保有の力」は、新しいモビリティサービスを提供していくうえで何物にも代えがたいトヨタの財産といえる。
では、「ネットワークの力」とは何なのか。これには、トヨタの歴史、伝統、企業文化が色濃く反映されている。ネットワークを核とする“トヨタ王国”は、一朝一夕に築き上げられたものではない。以下、“鉄の結束”を誇るトヨタ流「ネットワークの力」について触れてみよう。
その結束力は、ディーラー網に見ることができる。
トヨタとディーラーとは、歴史的に強い絆で結ばれており、その始まりは、創業者の豊田喜一郎の代までさかのぼる。つまり、歴史を解き明かさなければ、トヨタの販売の強さの秘密を探ることはできない。
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