FCA・ルノー統合案は日産取り込みへの「王手」 決断を迫られる西川社長
経営統合が実現すれば、日産が資本の力に対抗する切り札は使えなくなる。
欧米自動車大手のFCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)が仏ルノーに提案した経営統合案が、日産自動車を大きく揺さぶっている。
「ルノーとFCAの経営統合が実現した場合、ルノーの会社形態が大きく変わるため、日産とルノー両社における関係のあり方を基本的に見直していく必要がある」
6月4日に開かれたルノーの取締役会の前日、日産の西川廣人社長は、資本関係も含め、20年間にも及ぶルノーとの提携関係見直しをにおわす声明を発表した。
そこには、このままFCAとルノーとの経営統合協議が進めば、日産の独立性が脅かされかねないとの危機感がにじんでいる。
ルノーと日産の現状の資本関係を見ると、日産に43.4%を出資するルノーには議決権がある一方で、日産が保有する15%のルノー株には議決権がない。フランスの会社法に、ある会社から40%以上の出資を受けている場合、出資元の株式を保有していても議決権を行使できないとの規定があるためだ。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
登録は簡単3ステップ
東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
おすすめ情報をメルマガでお届け