消費生活ジャーナリスト 岩田昭男氏に聞く 『キャッシュレス覇権戦争』を書いた

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キャッシュレス決済後進国といわれる日本はその比率20%。韓国90%、中国60%からは程遠い。官民挙げてのキャッシュレス狂騒曲を俯瞰・解説するとともに、その先に待ち受ける“信用格差社会”について警鐘を鳴らす。

キャッシュレス覇権戦争 (NHK出版新書 574)
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カンフル剤にはなった大型還元キャンペーン

──政府は将来的にキャッシュレス決済比率80%を目指しています。

「ペイペイ」の100億円還元キャンペーンは、キャッシュレス時代に向けた最初の強烈なカンフル剤にはなりました。ただ、お金が回ったのは大手家電量販店と一部コンビニばかりで、小規模商店は取り残されてしまった。

大盤振る舞いに踊りまくったのは、ポイント好き、ネット好き、新しいものに最初に飛びつく“アーリーアダプター”たち。彼らは実だけ摘み取ってさっさと逃げる“チェリーピッカー”でもあります。大型キャンペーン時に飛びつくだけで、地に足の着いた本当の客になるかどうか。実際、ペイペイの還元キャンペーンも第1弾は上限10万円でばらまいたのが、第2弾は1000円にケチったら、みんなブーブー文句言ってましたよね。

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