巨額の還元キャンペーンなどで盛り上がるキャッシュレス市場。なぜ今、この市場が注目されているのか。利用者や店舗は何に気をつけるべきなのか。Q&A形式で解説します。
Q1. キャッシュレスが日本で浸透しない理由は何?
日本のキャッシュレス決済比率は2015年時点で18.4%と、韓国や中国、英米に比べて低い数字です。その理由として、治安がよく盗難が少ない、偽札が少なく現金に高い信頼性がある、といったことがあります。
一方で、不思議なデータもあります。国際決済銀行の調べによると、日本はクレジットカードやデビットカードなどを1人当たり約8枚保有しています。これはシンガポールの約10枚に次ぐ世界2位。日本は世界有数の「カード保有大国」なのです。
それなのに、なぜキャッシュレス決済の比率が低いのか。大きな理由として、消費者がクレジットカードを使える場所の少なさが挙げられます。経済産業省が17年2月に実施した調査によれば、観光地における飲食業(食堂、麺類店、喫茶店)のクレジットカード対応率は2割強。小売業全体でも7~8割にとどまっています。
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