キャッシュレス化の大きなうねりの中、大手外食チェーンでは「完全キャッシュレス」に取り組む企業が出てきた。
「ロイヤルホスト」などを運営するロイヤルホールディングス(HD)は2017年11月、実験店として、「GATHERING TABLE PANTRY(ギャザリングテーブルパントリー、以下パントリー)馬喰町店」を開店した。支払いに使えるのは、電子マネー、クレジットカード、QRコード決済のみ。入店時に確認され、現金しか持っていない客は利用できない。単価の低いランチでは電子マネーでの支払いが半数を占め、ディナーではほとんどがクレジットカードだという。
ロイヤルHDが完全キャッシュレス化を試みた目的は生産性向上だ。「(外食産業は)人件費アップと生産性向上のマッチレースが起こっている。人件費アップに負ければ減益だ」と、菊地唯夫会長兼CEOは言う。そのためパントリーでは「開店前の釣り銭の準備や銀行への入金、閉店後のレジ締めをなくし、現金にまつわる業務を大きく減らすことを目指した」(野々村彰人常務)。
成果は出ている。店長の労働時間に占める、現金管理や本部への売り上げ報告などの業務の割合を見ると、グループ内の類似規模の店舗では19.0%だった。それがパントリーでは5.6%に激減し、接客に割く時間を増やせるようになった。
パントリーでは、支払い以外の部分でも効率化に取り組んでいる。客は料理をiPadの画面上で選ぶため、注文のために店員が呼び出されることはほとんどない。厨房にはセントラルキッチンで加工・冷凍された料理がストックされている。店員は注文を受けたら、オーブンで温めて提供するだけ。調理する手間はほとんどかからない。
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