2026年7月、Uber(ウーバー)創業者のトラビス・カラニック氏が率いるAtoms(アトムズ)が17億ドル(約2600億円)を調達した。リード投資家はAndreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ=a16z)。
アトムズは、共同創業者のベン・ホロウィッツ氏が、「自身にとって過去最大の投資」と語り、自ら取締役にも就くほど力を入れるフィジカルAI領域のスタートアップだ。食品、鉱山、輸送の3分野でAIロボットを展開する。
その4週間後、筆者がサンフランシスコで参加したロボット開発者会議「Actuate(アクチュエート)」で、グーグルの自動運転プロジェクト(後のWaymo〔ウェイモ〕)を立ち上げたセバスチャン・スラン氏が、新会社Dulo(デュロ)の設立に短く触れた。詳細は明かされなかったが、AIによるハードウェア設計を事業の中核に据えるという。
自動運転の道を切り開いた二人が、ほぼ同時にAIロボットへと向かうのはなぜなのか。その答えの一つは、自動運転の課題が「解け始めた」こと、もう一つは開発の過程で手に入れた「仕組み」にある。
自動運転とAIロボットの共通点・相違点
一見、自動運転とAIロボットは別の産業に見えるが、実は開発のアプローチが共通している。センサーで環境を認識し、AIが判断し、モーターを動かす。どちらもAIが現実世界で身体を持って動く「フィジカルAI」だ。
違うのは難しさの所在だ。自動運転の制御対象は主にハンドル、アクセル、ブレーキと比較的単純である。一方、ロボットは腕、手首、指など多数の関節を同時に制御し、力の加減まで調整する必要があるため、はるかに動作が複雑だ。
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