トヨタの自動運転を担う「陰の主役」の決意 ジェイテクト社長「BOSCHと同じ土俵で戦う」

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安形哲夫(あがた・てつお)/1953年生まれ。1976年一橋大学卒業、トヨタ自動車工業(現トヨタ自動車)入社。2008年同社専務、2011年豊田自動織機副社長などを経て、2013年からジェイテクト社長(撮影:尾形文繁)

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「兄よ、ジェイテクトって大丈夫?」──。自虐的なCMで話題になったトヨタ自動車系サプライヤー大手のジェイテクト。かつては歌舞伎の市川海老蔵さんも出演するなど知名度向上に躍起だ。だが、1988年に世界で初めて開発・量産化した電動パワーステアリグのシェアは世界で3割弱を有し、売上高は1兆5000億円規模を誇るグローバル企業だ。ベアリング(軸受け)と工作機械も手掛けるなど事業は幅広い。

ジェイテクトは光洋精工と豊田工機が2006年に合併して発足。創業はそれぞれ戦前と古く、光洋精工は1921年に池田善一郎個人商店として大阪市に設立し、輸入ベアリングを販売後、生産に着手した。一方、豊田工機は1941年にトヨタ自動車の工機部門より分離独立し、愛知県刈谷市に設立。工作機械の生産を開始したのが始まりだ。

電動パワステは軽い力でもハンドルを操作でき、ハンドルと車輪の動きを電動で制御する基幹部品だ。将来の自動運転でも要になるとみられている。自動運転は「認知」「判断」「操作」を繰り返すことになるが、実際に舵を切って車の方向を動かす「操作」を担うのが電動パワステだ。

ジェイテクトは2019年3月にデンソー、アイシン精機、アドヴィックスのトヨタ自動車系3社と自動運転のソフト開発において合弁会社を設立する予定だ。個別開発してきたリソースを結集し、業界標準化を狙う。自動運転にどう挑むのか。安形哲夫社長を直撃した。

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