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こんなこと5年前は絶対言わないよ(笑) 豊田章男 独占インタビュー 1

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とよだ・あきお●1956年生まれ。79年慶応義塾大学法学部卒業。84年トヨタ自動車入社。2000年取締役、02年常務、03年専務、05年副社長を経て09年から現職。
写真:愛知県豊田市、トヨタ本社内の社長室にて。執務机の周りは車に関連した品であふれている(撮影:尾形文繁)

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──豊田社長はこれまで経済誌の取材にはあまり応じていません。

意識的に出ていないつもりもないんですよ。社長になってから約1年間は、メディアとは非常に距離を置いた。というのは、どうせ書いてくれないでしょ、インタビューしたって、それとまったく違うこと書くんでしょという体験をしてきたから。

私が出ない分、私のことを知っているという人の記事が載ったりして、正直メディアは頼りにならない存在だなというふうに思っていた。

転機となったのは公聴会です(※1、ページ下に脚注。以下同)。公聴会の夜から三つくらいのテレビ番組に出た。自分の思いは直接自分で語らないとダメだと、大きく変わった瞬間があのときだ。

──記者会見などでは「数値」ではなく「思いを伝える」というスタイルが目立ちます。

自分の言葉でいろんな数値を語ると、数値だけが独り歩きする。そうすると、自分の思いから遠くなる。

その思いというのも、私以外の人が語ってくれたほうが効果があるのかもしれない。東京モーターショーのイチローさんとの対談なんかはそう(※2)。私が「バッターボックスに立つ」と言うより多くの人に、ふっと入る。トヨタという会社をより理解してもらい応援団を作るために、気持ちをわかってもらいたい。

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