──豊田社長はこれまで経済誌の取材にはあまり応じていません。
意識的に出ていないつもりもないんですよ。社長になってから約1年間は、メディアとは非常に距離を置いた。というのは、どうせ書いてくれないでしょ、インタビューしたって、それとまったく違うこと書くんでしょという体験をしてきたから。
私が出ない分、私のことを知っているという人の記事が載ったりして、正直メディアは頼りにならない存在だなというふうに思っていた。
転機となったのは公聴会です(※1、ページ下に脚注。以下同)。公聴会の夜から三つくらいのテレビ番組に出た。自分の思いは直接自分で語らないとダメだと、大きく変わった瞬間があのときだ。
──記者会見などでは「数値」ではなく「思いを伝える」というスタイルが目立ちます。
自分の言葉でいろんな数値を語ると、数値だけが独り歩きする。そうすると、自分の思いから遠くなる。
その思いというのも、私以外の人が語ってくれたほうが効果があるのかもしれない。東京モーターショーのイチローさんとの対談なんかはそう(※2)。私が「バッターボックスに立つ」と言うより多くの人に、ふっと入る。トヨタという会社をより理解してもらい応援団を作るために、気持ちをわかってもらいたい。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら