中国で資金繰り悪化に悩む民間企業が増えている。中央政府の大号令の下、国有資本による民間企業救済の動きが広がっているが、問題もある。
9月4日、中国人民銀行と中国工商聯(日本の経団連に相当)が共催する「民間企業金融サービス座談会」で、著名女性経営者の何巧女氏は開口一番、人民銀行の易綱総裁に向けて次のように言い放った。「民間企業の資金繰りはたいへん厳しい。易総裁が私に銀行を一つくれたら、血まみれで倒れている企業を救ってみせる!」
何氏は、北京に本社を置く中国最大の造園会社である東方園林の創業者で董事長を務める。不動産市場の急拡大に伴い、急成長してきた東方園林は、水処理インフラ、観光施設など政府系の建設関連ビジネスにも進出した。
ただし、政府系のプロジェクトは資金回収の周期が長く、遅延や未払いも日常茶飯事だ。さらに、2017年4月に発表された地方政府の債務拡大に対する国務院の禁止令が、地方政府の資金調達をますます悪化させてしまった。
公表資料によると、東方園林の18年上半期の受注契約額は339億元(1元は約16円)と前年度売上高150億元の約2.3倍となっており、受注をこなすために、十分な資金調達が不可欠だった。だが、東方園林はつまずいた。国内格付けはAA+と良好だったにもかかわらず、政府系プロジェクトの問題が懸念され、今年5月に実施した10億元規模の社債発行に対して、0.5億元しか調達できなかったのだ。
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