価格改定で苦戦する企業が多い中、値決めが巧みな企業もある。
壱番屋
壱番屋が運営する「カレーハウスCoCo壱番屋」は、外食業界の中でも屈指の値決め上手とされる。その技は関係者の間で「サイレント値上げ」と称されている。価格を一気に上げるのではなく、対象商品や時期を少しずつずらし、細かく上げていくことで、顧客が値上げを感じにくくなる工夫をしているのだ。
CoCo壱番屋は、顧客が自分好みにカレーをカスタマイズできる点が魅力。シンプルなカレーを基本として、チーズや野菜など数十種類あるトッピングからいくつか選んだり、「普通」から「10辛」まで11段階の辛さを好みで選んだりできる。ライスの量も100グラム単位で変えられる。
このように複雑な価格構成になっているので、細かな値上げは気づかれにくい。15年3月にトッピング7品目を値上げしたのを皮切りに3年連続で何らかの商品を値上げした。が、たまに利用する20代男性が「値上げしていたのは知らなかった」と語るように、客にとって負担増の印象はあまり強くないようだ。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待