超低金利に苦しむ地方銀行にとって、貸し出し拡大のために横並びの低金利競争を繰り広げる手法は限界に来ている。金融庁は、地銀では目先の収益確保が優先され、顧客や地域の経済環境を把握し融資判断を行う「目利き力」が失われていることを問題視。担保・保証がなくても事業に将来性がある企業や、信用力が低くても地域に必要とされる企業への取り組みが不十分だとしており、金融仲介機能の発揮を促している。
福岡銀行|不良債権処理の経験で企業を見る目を培う
そうした中、過去の経験を生かし、各行員の目利き力のさらなる向上や、担保・保証に過度に依存しない融資を進めているのが、福岡県内で預金・貸出金シェアトップの福岡銀行だ。熊本銀行、親和銀行を加えたふくおかフィナンシャルグループ(FG)の総資産は地銀トップで20兆円を超える。
福岡銀行は地元中小企業に対し、担保・保証の評価以上の融資を積極的に行っている。それを示すのが非保全の融資(不動産などの担保、保証協会保証が及ばない融資)の増加や融資総額に占める非保全率の上昇だ。同じような指標を開示する地銀は少ない。
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