三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)0.57倍、三井住友FG0.59倍、みずほFG0.54倍──。これは各社のPBR(株価純資産倍率)だ(下図、9月18日終値)。PBRが1倍割れというのは、会社を解散し、純資産を株主に分配したほうが得であることを意味する。
三井住友FGの太田純副社長(グループCFO〈最高財務責任者〉)は「投資家は多くの日本企業の株価が割安だとわかっている。7月の日本銀行の政策変更も投資家に評価されているが、銀行株を買う直接の材料になっていない」と話す。
割安なのは、銀行の事業環境は厳しく、成長性への疑問があるからだろう。2013年以降の日銀の異次元緩和政策で、メガバンクの収益は急速に悪化。7月に日銀は長期金利の変動幅拡大を認め、利ザヤもようやく底入れの兆しが出始めたが、銀行収益を回復させるにはまだまだ力不足だ。

ただ、三菱UFJの事情は若干異なる。徳成旨亮専務(グループCFO)は「米国の金利が動くと、当社の株価は動きやすい」と話す。米金融大手モルガン・スタンレーへ出資し、総預金量で全米21位(16年3月末時点)の商業銀行MUFGユニオンバンクを子会社に持つ。短期のドル金利上昇は資金調達コストを圧迫するが、金利上昇は米景気がいいことを意味し、ユニオンバンクは低コストなドル預金を持つ。「金利上昇は必ずしも悪いことではない」という。
リーマンショック後、同社の業務や収益は多様化・多角化が進み、「利益の4割は日本外」(徳成CFO)というまでに拡大した。母国市場はあくまで日本という位置づけだが、「脱日本化」が進めば、厳しい日本以外の要因で株価が評価されるかもしれない。
メガ各社は事業部門別の財務情報開示を充実させている。三菱UFJと三井住友は17年度の事業部門別のROE(自己資本利益率)と経費率などを公表。みずほも開示を検討中だ。
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