日銀は9月18日の金融政策決定会合で無担保コール翌日物レートの誘導目標を1.25%に上げることを賛成多数で決定した。1.25%は1995年以来、31年ぶりの高水準となる。
前回6月の利上げから約3カ月後の利上げである。ちなみに2024年3月のマイナス金利解除以降、利上げの平均ペースは半年程度というイメージが続いていたため、利上げペースの加速と定義できるだろう。
利上げは全会一致ではなく、浅田統一郎審議委員と佐藤綾野審議委員が反対票を投じ、これが後述のように、大きなインパクトを残した。浅田委員は生鮮食品を除く消費者物価指数(CPI、※日銀版コア)の上昇率が2%を下回り、「経済の状況も必ずしも強いといえない」との理由で、佐藤委員は経済・物価情勢が大きく加速しておらず「このタイミングでの利上げは適切ではない」との理由で反対している。
要するに、反対した両委員共に「インフレは強くない」と抗弁しているわけだが、これは理解が難しい理屈に思える。
穏当なインフレは政策要因の賜物
春先以降の物価情勢が穏当な伸びにとどまっているのは、エネルギー補助金や高校授業料無償化など政策要因の賜物であることは周知の事実だ。例えば、確かに日銀版コアは3~7月平均で前年比1.9%増(以下すべて前年比)と2%目標を恒常的に割り込んでおり、安定しているように見える。しかし、政策効果などの特殊要因を除くベースで、同期間の平均は2.5%まで跳ね上がる。
ほかならぬ日銀が公表するこうした計数が両委員の政策判断にどのように活用されたのかは興味深い。
そもそも主要国の中でもエネルギーの海外依存度がとくに高い日本のインフレ率だけが際立って低い状況は異例と考えるのが普通だろう。あくまで裁量的なマクロ経済政策に糊塗された安定を謙虚に受け止め、経済・物価情勢を評価する必要がある。
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