訪日外国人客が増える中、日本のホテルはどうあるべきか。元外資系証券会社の有名アナリストで、『新・観光立国論』の著書もあるデービッド・アトキンソン氏に聞いた。
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David Atkinson●1965年英国生まれ。ゴールドマン・サックス証券などを経て、2009年小西美術工藝社入社。14年から現職。裏千家の茶名「宗真」を持つ。(撮影:今井康一)
──外国人の視点から見て、日本のホテルの課題は何でしょうか。
一番の問題は多様性がないことだ。安いホテルばかりができている。
その原因はいくつかある。1つは発想自体が貧乏くさい。戦後の爆発的な人口増加の中で培われた「いいものを安く」という考え方がはびこっている。
もう1つは調査・分析能力に欠けている。今は中国人や韓国人など、観光にかける予算が少ないけれど日本にたくさん来ている人に対応しているだけ。現状分析ではなく、日本に来ていない人がなぜ来ないのか、市場がどの程度大きくて、どこまで伸びる可能性があるのかといった潜在市場を調査・分析し、誘致する手を打っていない。大量生産的な発想で造られた低価格・低次元の昭和の観光インフラを使い続けるなら、日本の観光戦略は危ない。
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